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当面は派遣で働きたいが、将来は正社員になりたい――派遣社員たちの複雑な「ホンネ」
2015年01月30日 19時16分

当面は派遣社員として働きたいが、数年後には正社員になっていたい――。人材派遣会社の業界団体である「日本人材派遣協会」が1月27日に発表した意識調査で、派遣で働く人たちの複雑な「本音」が明らかになった。

それによると、「当面希望する働き方」として「派遣」と答えた人が67.0%にのぼり、「正社員」(18.8%)という回答を大きく上回った。しかし「数年後に希望する働き方」としては「正社員」という回答が44.7%となり、「派遣」の14.9%の3倍に達した。派遣社員という働き方は「一時的なもの」と捉えている人が多いようだ。

当面は派遣社員として働きたいが、数年後には正社員になっていたい――。人材派遣会社の業界団体である「日本人材派遣協会」が1月27日に発表した意識調査で、派遣で働く人たちの複雑な「本音」が明らかになった。

それによると、「当面希望する働き方」として「派遣」と答えた人が67.0%にのぼり、「正社員」(18.8%)という回答を大きく上回った。しかし「数年後に希望する働き方」としては「正社員」という回答が44.7%となり、「派遣」の14.9%の3倍に達した。派遣社員という働き方は「一時的なもの」と捉えている人が多いようだ。

●将来的には正社員を希望?

調査は、昨年9月から11月にかけて、現在派遣社員として働いている人と、過去半年間に派遣社員として働いていたことがある人を対象に、インターネットで実施した。4593件の有効回答が寄せられ、そのうち、現在派遣で働いている人(3898人)の回答を集計して発表した。

その結果によると、派遣社員の約9割は女性で、平均年齢は38.1歳だった。8割以上が正社員経験者で、そのうちの6割は、5年以上正社員として働いた経験を持っていた。

「今後の働き方の希望」については、当面か、数年後かで、結果が正反対になった。前述したように、当面希望する働き方は「派遣」と答えた人が67.0%を占めたが、数年後も「派遣」で働きたいと回答した人は14.9%にすぎなかった。

逆に、数年後の働き方としては希望する人が多かったのは「正社員」(44.7%)だった。正社員を希望する理由(複数回答)としては「雇用が安定するから」が84.3%でトップ。現状は派遣社員で良いとしても、「正社員=安定、派遣社員=不安定」と捉え、将来的には正社員として働きたいと考えている人が少なくないようだ。

●正社員の打診を「断る」が2割

では、もし派遣先から「ウチで働かないか」と正社員の打診を受けた場合、派遣社員の人はどう応じるのだろうか? 最も多かったのは「受け入れる」(42.1%)という回答だ。ただ、「断る」と答えた人も20.8%いた。

正社員として働くチャンスがあっても、派遣のまま働き続けたい人も一定数いるようだ。

「断る」と答えた人の理由(複数回答)は、「体力的・精神的な負担が多くなるから」がトップで34.2%。そのほか、「職場の人間関係が煩わしいから」(30.5%)、「仕事の責任が重くなるから」(25.9%)、「残業がある、または多いから」(24.3%)といった理由に回答が集まっていた。

仕事べったりの生活になることを嫌って、あえて派遣という働き方を選ぶ人もいるようだ。たしかに、今回の調査結果では、労働時間について、半数以上(52.7%)が残業が「ゼロ」と回答している。残業があると回答した人でも、週に数時間以内と答えた人がほとんどだ。

●「正社員のときより満足な暮らし」

東京都内のIT企業で派遣で働くMさん(30代・女性)も、派遣先から「正社員にならないか」と打診されたが断った。以前は正社員として働いていたが、もう正社員では働きたくないという。

「30代になって、(正社員の時と)同じような働き方は辛く感じました。長時間労働だけでなく、成果を出さなければ評価が下がるというプレッシャーもきつかったです。

派遣は労働時間などの希望条件を選ぶことができます。お給料は正社員時代の3分の1になったけど、趣味の時間をもてたり、家族と過ごす時間も増え、正社員のときより満足した暮らしを送れています」

働き方は人それぞれ。正社員と派遣社員、どちらがよいかは、一概には決められないのかもしれない。

(弁護士ドットコムニュース)

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