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元夫が「2000万円」の住宅ローン抱えて自己破産…連帯保証人になった父の運命は?
2020年12月02日 09時58分

「離婚した元夫が自己破産しました。父が住宅ローンの連帯保証人になっていますが、残金を支払わなければならないのでしょうか」。

弁護士ドットコムに、このような相談が寄せられています。

ある日、相談者のもとに3年前に離婚した元夫から「離婚後に始めた事業に失敗し、自己破産することになった」という電話がかかってきました。住宅ローンが2000万円残っていることも分かり、連絡保証人である相談者の父親に支払いの請求がいくと言われたそうです。

家は元夫の名義となっており、ローンは元夫が払うことになっていました。父親も経済的に余裕があるわけではないため、相談者は動揺を隠せない様子です。

このような場合、相談者の父親が元夫のローンを支払わなければならないのでしょうか。増田勝洋弁護士による解説をお届けします。

「離婚した元夫が自己破産しました。父が住宅ローンの連帯保証人になっていますが、残金を支払わなければならないのでしょうか」。

弁護士ドットコムに、このような相談が寄せられています。

ある日、相談者のもとに3年前に離婚した元夫から「離婚後に始めた事業に失敗し、自己破産することになった」という電話がかかってきました。住宅ローンが2000万円残っていることも分かり、連絡保証人である相談者の父親に支払いの請求がいくと言われたそうです。

家は元夫の名義となっており、ローンは元夫が払うことになっていました。父親も経済的に余裕があるわけではないため、相談者は動揺を隠せない様子です。

このような場合、相談者の父親が元夫のローンを支払わなければならないのでしょうか。増田勝洋弁護士による解説をお届けします。

●連帯保証人になった以上は支払わないとダメ?

ーー連帯保証人である相談者の父親は、元夫の住宅ローンを支払わなければならないのでしょうか。

支払い義務は免れません。ただし、元夫に求償することができます。

相談者の父親は連帯保証人になっているということですが、連帯保証は単なる保証と比べて、大きく2つの点で異なります。

単なる保証の場合は「催告の抗弁権」といって、まずは主債務者(今回のケースでは元夫)に請求してからでないと、保証人は「払いません」ということができます。

また、主債務者に請求した後でも、「主債務者はこんな財産を持っているから、先に主債務者の財産から執行してください」といえます。これを「検索の抗弁権」といいます。

連帯保証の場合にはこうした主張をすることができません。まさに自分がお金を借りた、あるいは、家を買ったのと同じ立場になってしまいます。

今回のケースでも、残念ながら、相談者の父親とローン会社との関係では、連帯保証することに同意して契約書に署名及び押印した以上、支払義務を逃れることはできないと言わざるを得ません。

ただし、住宅ローンを組んでいる家には抵当権(住宅ローンを借りた債務者がローンを返済できなくなった場合に、土地や建物を担保にする権利)などの担保権が設定されています。そのため、相談者の父親が住宅ローンを支払う前に、家が競売あるいは任意売却されてローン残額が減少するのが通常の流れだと思います。

●かわりに支払った場合、元夫に代金を請求できる?

ーー支払い義務を免れなくとも元夫に「求償」することができるとのことですが、「求償」とは具体的にどういう意味なのでしょうか。

今回のケースでいえば、父親がローンの残りを元夫の代わりに支払った場合、その分を元夫に請求することができます。これを「求償」といいます。

ただし、元夫が任意に支払うかどうかはまた別の問題となります。支払わなければ訴えを起こして判決を得たうえで、給料を差し押さえるなど、元夫の財産に対して強制執行をしなければなりません。

いずれにせよ、回収はかなり困難ですので、連帯保証人になる場合にはやはりそれなりの覚悟が必要でしょう。

(弁護士ドットコムライフ)

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