14718.jpg
1カ月で自殺未遂10回、入管収容のクルド人男性「一番の薬は奥さん」「どうか助けて」
2020年03月26日 17時53分

東日本入国管理センター(茨城県牛久市)で、1カ月間に10回もの自殺未遂を繰り返したトルコ国籍のクルド人男性、デニズさんが3月26日、東京・永田町の参議院議員会館で記者会見を開いた。

東日本入国管理センター(茨城県牛久市)で、1カ月間に10回もの自殺未遂を繰り返したトルコ国籍のクルド人男性、デニズさんが3月26日、東京・永田町の参議院議員会館で記者会見を開いた。

●約1カ月で10回の自殺未遂

デニズさん(難民申請中)は2007年に来日して、2011年に日本人女性と結婚したが、在留資格はみとめられず、2016年から東日本入国管理センターに収容されている。

この間、長期収容によって、精神的に疲弊して、不眠となり、大量の睡眠導入剤を投与されているという。今年2月下旬から3月中旬にかけては、自分で首を絞めるなど、10回も自殺を図った。

会見2日前の3月24日、1カ月の「仮放免」(一時的に収容が解かれる)となって、収容施設から出ることができた。この日の会見で、デニズさんは「わたしの一番いい薬は奥さん(といること)です」と涙ながらに話した。

●デニズさんは国家賠償訴訟を起こしている

デニズさんは昨年8月、東日本入国管理センターの職員から暴行を受けるなど不当な扱いを受けたとして、国家賠償訴訟を起こしている。

この裁判で、国側は、複数の職員が、デニズさんを取り押さえる様子を録画した映像を証拠として提出している。デニズさんの腕が捻り上げられるところも映っている。

代理人の大橋毅弁護士は会見で、入管の長期収容について「(イラク戦争の際、捕虜の虐待で問題となった)アブグレイブ刑務所のように、『人間の尊厳』を奪っている」と批判した。

デニズさんは「暴力だけでなく、精神的暴力もひどい。わたしだけじゃなくて、入管に収容されている人たちの問題です。どうか、わたしたちを助けてください」と訴えていた。

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る