この事例の依頼主
30代 男性
債務総額:400万円ほど債権者数:5社ほど業態:イラストレーター最近は書店などから頼まれるイラスト作成等を仕事にしていますが、以前は漫画家のアシスタントをしていました。そのアシスタントをやめる経緯の中で精神疾患(軽度の抑うつ症状)にかかってしまい、半年近く仕事ができない状態が続きましたので、その中で借金をしてしまいました。今は仕事自体は継続できていますが、家賃と生活費を払うと余裕がないような生活で、とても、借金の返済に手が回りません。精神疾患を患っていますので、借金の取り立ての電話や葉書が来るたびに体調を崩しています。今は自宅でイラストを描くだけなので自分のペースで仕事ができるから良いのですが、これ以上借金取り立て等で体調が悪化してしまいますと、仕事が出来なくなってしまいそうです。現在も体調がすぐれませんので、手続きを進めるにあたっても急いで何かを準備してくれと言われてしまいますと対応が出来ません。無理を言って申し訳ないのですが、多少期間をかけて、私のペースで破産手続きを申請したいと考えているのですが可能でしょうか。
秦弁護士に相談しましたところ、弁護士が通知を送って借金の返済をストップさせるのは、手続きの申請に必要な期間待ってもらうことなので、あまりに長期間申請をストップさせることはできないとのお話で、そのとおりだと思いました。ただ、私も精神面で体調がすぐれないものですから、半年以内に資料をすべてそろえてくれと言われると難しい旨をお話し、それほど長期化しないというお約束で極力私のペースに沿う形で準備に取り組んでもらえました。正直に言いますと、借金のことを思い出すと、そのこと自体で精神的に参ってしまいますので、準備を急かされますと余計に落ち着きません。そのため、あまり急ぎ過ぎず準備することが出来たのはありがたかったです。イラストレーターは個人事業主になってしまうため、裁判所からは同時廃止手続きではなく少額管財手続きを踏むよう言われるかもしれないとのことでしたが、結局は秦弁護士が裁判官と直接面接した際に丁寧に説明してくださったおかげで、少額管財手続きにならずに済みました。今の私には少額管財に必要な20万円などとても工面できませんでしたので、安心しました。まだ体調は本調子ではないのですが、借金の問題が片付いたことで少しは精神的に楽になりました。今後はもう少しイラストレーターとして知名度を上げられるよう頑張っていきたいと考えています。
今回のケースは、ご依頼者様が自身の体調面の問題もあって、今後の手続きに非常に強いご心配をお持ちでした。そのため、分からないことなどは極力丁寧かつきめ細かにご説明し、納得してもらいながら準備を進めました。あまり早急に準備を進めていくことが難しいと聞いてはいたのですが、債権者の手前あまり手続きを遅れさせることもできませんので、ご依頼者様をあまり急かせ過ぎず、ただ、あまり冗長にならないように注意しながら準備を進めていきました。アシスタントをしていた際の道具購入費等の関係で準備に手間取る面がありましたが、最終的には裁判所も納得できるような形で破産申請をすることが出来ました。個人事業主で総債務額が500万円を超えてしまいますと、同時廃止で手続きを取ることは非常に難しくなりますので、今回のケースは裁判所からどのような指摘があるか心配していました。あらかじめ、私の方からも事業資金ではなく生活資金としての借り入れがメインであることをしっかりと説明する文書を作成し、その点の裁判所の理解を得るように進めましたところ、同時廃止で手続きを終結させることが出来ました。