この事例の依頼主
70代 男性
相談前の状況
78歳で一人暮らしをしているBさんの交通事故について、道南にお住まいの息子さんからご相談を受けました。Bさんは、夜8時ころに、国道40号線の横断歩道ではない部分を横断し、その際四輪車に衝突されて、左脚に大けがをしたものです。その後Bさんは入通院治療を終え、後遺障害12級7号が認定されていました。保険会社は、Bさんへの損害賠償額として、損害総額を約520万円・過失割合を30%とし、その結果最終支払額を約364万円とするという提案をしていた状況でした。
解決への流れ
損害総額について、通院慰謝料、後遺障害慰謝料と後遺障害逸失利益をすべて裁判基準まで引き上げました。そのうえで、過失割合について、加害者の刑事事件の記録を取り寄せてこれをつぶさに検討し、損害保険会社がその加算要素としていた「直前横断」の理解に対する認識の誤りを指摘して、保険会社の言う30%から25%にまで引き下げました。結果、当初提示の364万円に対し、最終的な受取額621万円で示談が成立しました。
保険会社の提示内容は、損害の内容が複雑化すればするほど、一般の方にはわかりにくいものになっています。また、「この金額で納得してもらおう」という意図があるわけですから、詳細に書かれているわけでもありません。本件のように当初ご依頼時に既に損害賠償額の提示がある場合には、まずはその提示内容である個別の損害費目の金額の算出根拠を読み取り、裁判基準との乖離(差)を見極めることが必要になってきます。