この事例の依頼主
40代 女性
相談前の状況
お義父様の相続事案。お父様の生前から兄弟の折り合いが悪く、お父様の死後も話し合いにならず、結局、相続人である弟様も死亡し、弟様の相続人である奥様まで相続が持ち越されました。奥様もどうしていいかわからず、相談に来られ依頼をされることになりました。
解決への流れ
数十年にわたる親族間の確執があり、すぐに裁判外での話し合いは無理だと判断し、調停を申し立てました。調停においても、相手方からは、遺産とは無関係の当方に不利な要求が何度もあり、これに応じないと話し合いには応じないという話が繰り返しあり、調停委員も話し合いを円滑に進めるためにそれを受け入れることの提案もありました。その件については、依頼者様と、それを受け入れた場合のメリット・デメリット、それを受け入れず、交渉が決裂した場合のメリット・デメリットについて何度も協議し、毎回コンセンサスを得るようにしていたので、それに沿って話し合いを進めました。最終的には、相手方も提案を撤回し、満足のいく調停(和解)が成立しました。
本件については、交渉が決裂して仮に裁判所が遺産分割の内容を決める審判になった場合に、当方にもリスクがある事案だったので、弁護士としても難しい判断がありました。しかし、依頼者様と毎回のようにかなり細かく、こうなった場合にはこうなるといったシミュレーションをし、依頼者様にとって何が特に大切かということも何度も確認したうえで、コンセンサスを取っていたので調停においても、こちらの主張をブレることなく発言できました。これが、相手方の要求の撤回につながったと思われます。